
| 現在活動中のユーロビート
レーベル ◆ TIME RECORDS(TIME RECORDS) 元々はDISCOMAGICという、ハイエナジーやイタロダンスを出版していた会社のユーロビート部門であったのですが、TIMEのレーベル責任者で あったジャコモ・マイオリーニが、親会社である DISCOMAGICの経営危機を知り、独立したレコード会社となったのがこのレーベルです。一説によればこの際、 DISCOMAGIC社の持っていた楽曲の版権をTIMEに移す作業で、当時の社員全員が死ぬほど頑張ったとか。 因みに、元々の親会社だったDISCOMAGICは、現在でも名前を変えて頑張っているらしいのですが、その詳細は不明です。 このレーベルを語る際に、絶対に忘れてはいけない事の一つに上げられるのが『殆どのユーロビートのプロデューサーやライターは、このレーベルでの活動を 経験している』と言う事です。 BOOM BOOM BEATのマウロ・ファリーナ、A-BEAT Cのジャンカルロ・パスキーニ(デイヴ・ロジャース)、DELTAのローラン・G・ニューフィールド、クララ・モローニ、HI-NRG ATTACKのアカティーノとリモンティ、VIBRATIONのマーカントニオ、SCPのカスターニャなど、数え上げればきりがありません。 言い換えれば、このレーベルの問題点でもある……という事にもなるんですが……(このレーベルに定着する人が少ないとも言えるので)。 現在のプロデューサーさんは、イタリア一の量産男と言われる、セルジオ・ダローラ。それにアーティスティック・プロデューサーという立場のルカ・ディ ガーニの二人が、主なプロデューサーであり、ライターです。因みに、必ずクレジットされているジャコモ・マイオリーニ氏ですが、彼は一応経営者兼現場監督 という立 場で、楽曲の製作を実際に担当することは殆ど無いといわれています。 現在のこのレーベルの出す楽曲の特徴としては、『軽めの音』と『とにかく泣ける哀愁』傾向です。 どちらかと言えば高速志向。最近の楽曲で、BPM150未満と言う事は、殆どありません。 また、さすがにこのレーベルは極めて歴史が長い&規模がでかいだけあって、他ジャンルの楽曲等にも積極的です。日本国内でもダンスマニアやその他のダン ス・コンピレーションの会社名クレジットを辿っていくと、必ず1曲か2曲は、TIME関連の楽曲があるはず……というくらいです(因みにネット上で 、お下品なパロディ映像やFlashが話題になった『DRAGOSTER DIN TEI / O-ZONE』も、このレコード会社の傘下レーベルからの楽曲だそうです)。因みに最近では、そう言ったダンスポップ・アーティストがバイトのような形で ヴォーカリストを勤めているケースがあるとか……。 最近では新人アーティストの発掘や育成にも力を入れているようで、そちらのほうもかなり注目です。 近年の代表的アーティスト SYMBOL STYLOPHONES MR.M ROSE HELENA 他 ◆ BOOM BOOM BEAT (S.A.I.F.A.M.) BOOM BOOM BEATは、もともとASIA RECORDSというSAIFAMのユーロビート部門で、SUPER EUROBEAT(以降は全て、SEBと統一)以前に日本のユーロビート市場を(ほぼ)独占していた、THAT'S EUROBEAT(これはTHAT'Sで統一)というシリーズに楽曲を供給していました。THAT'Sシリーズは44くらいまでシリーズが続き、当時は世 界で類を見ないコンピレーション・シリーズでしたが、SEBの隆盛と共にその人気を落としていきました。因みにTHAT'Sの版元であったアルファレコー ドは倒産してしまったので、今ではおそらく、通常のショップでCDを手に入れることは非常に困難……かと思いますが、時々Yahoo!のオークション(何 故か馬鹿高い値段がついている)や、 中古CDショップ などで見る事も出来ます。 THAT'S消滅(大体94年くらい。詳しい終了年月日は知らない)と共に、ASIA RECORDSはBOOM BOOM BEATと名前を変えて(とは言っても、ASIA RECORDS自体は潰れてはいません)、SEBの姉妹シリーズであるEUROBEAT FLASH(EBF)に楽曲提供することになり、未だSAIFAMのユーロビートは健在である、という事を見せ付けてくれました。しかし、EBF終了以 降、収録環境が悪くなったことによってか、また、SAIFAMがBBBの楽曲をビクターにも提供したこときっかけとなったのか、@社とSAIFAMの関係 は非常に悪くなり、両者の関係は決裂。以降、ビクターの「ダンスパニック! プレゼンツ・ユーロパニック!」(以降ユロパニ)をメインとした楽曲提供を続 けるようにな りました。 因みに現在では、ユロパニも終焉を迎え、日本のインディーズレコード会社であるFARMの「VIP MEGA EURO STER」シリーズのみに提供していると言う感じで、収録環境が少ないので、あまり、聴 く機会は無いですね。 (注) SEB161から、このレーベルの楽曲もSEBに収録されることになりました。 このレーベルもTIMEと同じく、母体となるレコード会社「SAIFAM」の大きさと歴史の長さがあります。他ジャンルの楽曲にも精力的――なんです が、何故か、非常にカヴァーやリメイクが多いのが特徴です。2000年にヒットした楽曲、RANBO / MISTER MAXのリメイク的に『CONGO』という楽曲を発表したり、また、『GUNFIRE』や『CHA CHA CHA CHA』等のリメイク楽曲が、結構人気を博しています。 この傾向は他ジャンルの楽曲を出すレーベルでも変わらないようで(爆)、例えばボン・ジョヴィの楽曲をカヴァーしたり、70年代ダンスの名曲などもカ ヴァーしたりします。ある噂では、ヨーロッパでは「カヴァー曲のSAIFAM」とまで言われているとか。 プロデューサーはマウロ・ファリーナとファクトリー・チームというプロデューサー・チームによって成り立っています。 最近の楽曲の特徴としては、ドラが硬い事と、ベースが重いということが挙げられます。哀愁よりはコミカル路線、馬鹿系よりはややシリアスかな、というと ころです。 近年の代表的なアーティスト MISTER MAX MARK FARINA MARK FOSTER KEN MARTIN VERONIKA ENERGY GIRLS 他 ◆ A-BEAT C (RODGERS & CONTINI) このレーベルは、デイヴ・ロジャース事ジャンカルロ・パスキーニが、TIMEやFLEA(SAIFAM)と袂を別ったときに、友人であるアルベルト・コ ンティニと共に興したレーベルで、日本人に は最も馴染み深いレーベルです。知らない方には、安室奈美恵のTRY MEや、Forder 5のWONDERLANDなどの、音楽プロデューサーといえばいいでしょうか。 実はこのレーベル、現在のユーロビートの基礎を作ったと言っても過言ではないレーベルで、BPM150以上の高速志向や、エレキギター等を使ったロック テイスト等は、このレーベルが元々、最も得意としている(いた)手法です。マイケル・ジャクソンのツアー・ギタリストだったジェニファー・バッテンや、イ タリアで有名なバンド「ANGRA」のギタリストであるキコ・ルーレイロなどとコラボレイトする など、本職とのコラボレイションや、ロック・アーティストがバイ トで歌っていたり、ギターをやっていたりする事で有名です。因みにこのレーベルの持つスタジオはヨーロッパでも随一の設備を誇っていて、そのため良くロッ ク系のアーティストさんたちがレコーディングに来るとか……。 プロデューサーさんは、先ほど名前の挙がったデイヴ・ロジャースと、その盟友であるアルベルト・コンティニ、そして、元々ジノ・カリアとのタッグを組ん でいたサンドロ・オリヴァさんの三人が、主なプロデューサーです。 現在の音楽的志向は、主にコミカル路線と、他のレーベルには無いロックテイストでしょうか。あとは、最近ヌアージュのヒットにより流行している低速志向 も、このレーベルの大きな特徴です。あ、ついでに言うなら、平和系な楽曲も、考えたらこのレーベルが最初だったような気が……。 近年の代表的なアーティスト DAVE RODGERS MEGA NRG MAN MATT LAND LOLITA NUAGE SUSY WENDER GO GO GIRLS 他 ◆ DELTA (DELTA) DELTA RECORDSは、それまでTIMEでメインのプロデューサとして活躍していたローラン・ゲルメティ・ニューフィールドと、同じくTIME で活躍し ていた女性シンガー/ライターであったチェリー事クララ・モローニ、そして、A-BEAT Cで活躍していたプロデューサのアンドレア・レオナルディ(ブラット・シンクレア)が、1995年にミラノの中華料理屋で話し合い、その結果生まれたレー ベルで、当初は「二大レーベル(TIMEとA-BEAT C)のいいところ取りをした最強レーベル!」として、もてはやされました。 95年という、ユーロビート冬の時代に生まれたレーベルであるのに、いきなりレーベル第一号の楽曲「MONEY GO!/MARKO POLO」をフロアでヒットさせ、レーベルのポテンシャルの高さを見せ付けてくれました。 そして、このレーベルを語る際に忘れてはいけないのが、第三次パラパラブームを巻き起こした楽曲「NIGHT OF FIRE / NIKO」の大ヒットと、アニメ「頭文字D」のテーマソングとなった「NO ONE SLEEP IN TOKYO / EDO BOYS」等の大ヒットでしょう。これらの楽曲は、普段ユーロを聴かない人に対しても、そのハートをがっちりとつかんでくれました。 現在のレーベルの楽曲志向は、低速、高速両対応である事と、キンキンの高音シンセサイザー路線、そして「涙がほろり」程度の哀愁路線――と言ったところ でしょうか。あと、最近の傾向で絶対に忘れてはならないのが、「RIGHT NOW / DARK ANGELS」や「GOING CRAZY / QUEEN 26」「EMOTIONS / STEPHY MARTINI」等の、脱ユーロビート路線といったところでしょうか。個人的にはあまり、歓迎したくない傾向ではあるのですが……。 現在の主なプロデューサーさんは、先ほど名前の出たローラン・G・ニューフィールドとブラット・シンクレア、そして、LIVE MUSICからSAIFAMと経て、DELTAにやってきた(現在活動休止中……)の、R.GABRIELLI氏の三人です。個人的に一番好きな GABRIELLI氏は、ここ数年では「SEX CLIME / ODA」や「Hai Hai Hai(Dance Across The Nations) / MARKO POLO」「TSUNAMI COMES / MAD MAX」等の楽曲プロデュースをやっており、かなりマニアの間で、ファンの多い人です。 近年の代表的アーティスト NIKO KEVIN JOHNSON MARKO POLO CHERRY ODA DELTA QWEENS STEPHY MARTINI 他 ◆ HI-NRG ATTACK(LIVE MUSIC STUDIO) HI-NRG ATTACKの前身であるLive Musicは、元々80年代からあったレーベルで、クラウディオ・アカティノとフェデリコ・リモンティの二人の手によって興されたレーベルです。当初の彼 らは、イタリアン・ダンスポップやロック、ディスコなどでバンドとして活動をしていました。 彼らが有名となったきっかけは、ASIA(BBBの項参照)から出た、「BOOM BOOM DALLER」という楽曲で、この非常にキャッチーで、日本人に極めて親しみやすい楽曲は、日本を中心に大ヒットしました。ゲーム「ダンスダンスレボ リューション」にリミックスが収録されたので、結構知っている方も多いかも知れません。 また、日本人アーティストへの楽曲提供も、結構盛んに行っており、STOP THE MUSIC / 安室奈美恵や GET MY LIVE / MAX等の楽曲プロデュースもやっていました。最近の楽曲で有名なのは、アニメ「いちご100%」のEDテーマである『IKE IKE』ですね。 あと、日本人サッカー選手の非公式応援ソングみたいなものも作ったりしています(サッカーソング自体は何処のレーベルでも結構あるのですが、選手の個人 名をタイトルにするのはこのレーベル)。「GO NAKATA」や「MOTTO-MOTTO INAMOTO」などがあります。 Live Musicが独立したレーベルとなって活動をはじめたのは、94年の頃です。結構この点誤解されがちなのですが、このレーベルは実は、DELTAより独立 が早かったんですね。 このレーベル、最近A-BEAT Cがやっている「二世路線」を最初にやったレーベルでもあります。世界でも例の無い、本格のヴォーカリストとして9歳(!)の女の子を起用する(クラウ ディオ・アカティノの娘グレタ=ベイビー・バズーカ)という離れ業をやってのけました。 レーベルの特徴としては、とにかくパラリスト優先! 極めて重い音を基調にして、突き抜けたコミカル路線や、アグレッシヴさにかけては、このレーベルに 敵うところはありません。最近ではロシアがちょっと、このレーベルの中でブームになっているようで、コサックダンスの楽曲をモチーフにした「I WANT YOUR BALALAIKA」や「RASPUTIN, PASTERNAK AND MOTOROV」等という楽曲を作ったりしています。 近年の代表的アーティスト FRANZ TORNADO BAZOOKA GIRL TAM ARROW GARGON BABY BAZOOKA TRI-STRA 他 ◆ VIBRATION (LED Records)(サイト削除?) このレーベルはLED RECORDSという、イタリアの中堅レコード会社の傘下にあるレーベルです。LED自体は、元々イタロハウスを主に出版していたレーベルだったのです が、しかし、そのブームが下火になり、経営戦略として@社とユーロビートの供給で契約を結ぼうと言う事になりました。しかし@社が、 『実力のあるライターとプロデューサーを集めることが条件』としたので、ユーロビートを作れる作家の居なかったLEDは、ユーロを作れる作家を探す事から はじめたのです。 そこでLEDは、96年にジノ・カリアとその一派をTIMEから引き抜く事になり、そうして興されたのが、VIBRATION(以下VIB)というレー ベルです。 このレーベルは発足当初、それまでに存在しなかった「さわやか系」の楽曲を多数リリースしました。HEY HEY BABY CRY / DEE DEEなどの、前奏からアウトロまで、まるで春風の吹くようなさわやかさを備えた楽曲で、一躍人気レーベルの地位を獲得し、順風満帆……と行きたかったの です が、しかしここから、VIBの受難は始まりました。 まず、主力メンバーの中でも、かなりの実力を持っていたカスターニャが、トラブルにより離脱。これによってVIBは、戦力の相当数を失う事になってしま いました。 そして97年には、ライター、プロデューサー、ヴォーカリストであったジノ・カリアが、癌のため他界。 残ったDAVIDE DI MARCANTONIOも98年にTIMEに引き抜かれ、レーベルには誰も居なくなってしまいました。 しかし、DI MARCANTONIOは99年にTIMEとの一年契約を終えると、Energy Revolutionというレーベルを興し、ユーロパニックに「KING OF FIRE」という楽曲を提供。この楽曲が大ヒットし、それを手土産にし、再びVIBに戻ってきました。 こう言った、非常に紆余曲折のあるレーベルですが、最近では他のレーベルには無い、原点にあるようなアグレッシヴ系の楽曲によって、非常に(隠れ)ファ ンの多いレーベルになりました。 現在のプロデューサーさんは、LEDのオーナーであるLuigi Stangaさんと、メインプロデューサーのDavide Di Marcantonioさんの二人で成り立っています。因みにDimaさんは、いろんな名義でヴォーカリストも勤めています。 現在の楽曲の特徴は、動きの多いシンセサイザー遣いと、洗練された哀愁路線で人気を博しています。また、男性ヴォーカルの男臭さも、人気の一つでしょう か。 161からは、SEBに収録する分の楽曲が無くなるそうで、個人的には少々寂しいです……。 近年の代表的アーティスト DEE DEE JIMMY BRAVO J.RUSH QWEEN REGINA BETTY BLUE ELISA 他 ◆ SCP(SCP-Music) SCPとは Stephano Castagna Production の略で、文字通りステファノ・カスターニャさんと言う方の作ったレーベルです。頭文字を取ってSCP。解りやすいですね。 先のVIBの項でも触れたように、TIMEやVIBなどで活躍していたカスターニャ氏が、トラブルによってVIBRATIONを離脱して後、 Rodgers & Contini(A-BEAT C)傘下のDOUBLEというレーベルを、そのままカスターニャ氏が買い取って発足しました。 このレーベルがちょっと他とは違うのは、楽曲の全ての権利を、@社が買い取っている、という事です。だから、このレーベルの(P)欄には、AVEX INC.とつけられています。 このレーベルの楽曲的特長は、基本的にはオールマイティーに何でも作るようです。哀愁路線、シリアス/アグレッシヴ、コミカル路線、平和系、低速高速両 対応、さわやか系の楽曲などなど……。 あと、忘れてはならないのが、このレーベルのアーティストは、実在するアーティストが多めとなっています。下記に記したアーティストは、ほぼ全員が実在 するアーティストです。 近年の代表的アーティスト FASTWAY(DUSTY) ACE LISA LION CHRISTINE VAN T.K. NICK MANSELL PAMSY 他 |
| 参考サイト SUPER EUROBEAT オフィシャルサイト NRGXpress Dance Groove その他諸々の文献と資料。 |